乱華Ⅰ【完】


12時


昼の、12時。



いやいやいや。
ちょっと待て、落ち着こう。



え…?
……は?
昼の12時に放課後になる学校って何?
そんなの初耳なんですけど!

この学校そんななの!?



「タク、俺この女もーやだ…」



一人考え込む私を余所に、司がうんざりした様な表情で呟き携帯を弄り出した。



「俺だって嫌だっつうの。
おい心、お前考えてる事全部口に出てんだよ!
普通に考えて毎日12時に学校が終わるなんてねぇんだよ。
わかるか?わかるだろ!?
今日は体験入学とやらで3限までしかなかったんだよ。
…わかったか!?このボケ!」



えらく饒舌に話したタクは私の鞄を引っ掴み「帰るぞ」言って、ドアへと歩き出す。



些かムカつく事を言われていたが、そこはあえて流そうと思う。
寝てしまった私が悪いから。

慌てて席を立ち上がりその後を追い掛ける。



そして今朝の颯人みたいに私から少し離れた後を司が歩いていた。


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