乱華Ⅰ【完】
「ん〜じゃぁ俺らも行きますかぁ〜」
修に手を掴まれて、ソファーから引き上げられる。
昨日タクがした事と全く同じじゃんか、なんて思いながら修の後を着いて行った。
下には黒塗りの車が既に待機していて、その周りに数人の人。
あまり時間が経った様には思わなかったけれど、太陽は大分傾いていて携帯を見れば4時近くになっていた。
海が近いここは、風が強くてスカートが風で、ヒラリヒラリと靡く。
「パンツ見えっぞ」なんて呟くのは後を歩くタク。
別にパンツの1つや2つ見えた所で、何も変わらないだろうと、その言葉は無視して階段を降りた。
黒塗りの隣にはバイクが2台あって、黒のバイクには私の手を引いていた修が「お前は車ね〜」と言いながら乗り
シルバーのバイクには司が乗っていた。
黒塗りのシートに座った私は、可愛らしい顔で厳ついバイクに跨る司に、何故か脳裏でゴツいオネェが浮かんだ。
…司にバイクって、似合わない。
「それ司には言うなよ」
「…え?」
私の右隣に座る颯人は、ヴォンヴォンとバイクをフかす司を見ていて「似合わないって思ったんだろ?」口にする。