乱華Ⅰ【完】
sixth
着いたのは一昨日ぶりの繁華街。
まだ日が沈みきっていないここは、一昨日みたいにギラギラはしていなかった。
ただ一昨日と違うのは、繁華街に1歩踏み入れた瞬間に、サッと人が左右に分かれ道が出来た事。
それともう一つ。
「修さぁ〜んっ!私今日空いてるんで、連絡下さぁ〜いっ」
「タクさんっ!こっち向いて下さーい!!」
「颯人さんカッコイイっ!!」
「司君可愛い〜」
「正宗さん、素敵〜」
「抱いて〜」
「その女誰ですかぁっ!!」
…さっきから悲鳴に近い絶叫が、至る所から聞こえてくる。
……………。
絶句。
修はひらひらと女の子に手を振り、正宗は貼り付けた笑顔で、司は不機嫌面全開で、タクと颯人は無表情だった。