乱華Ⅰ【完】
「心ちゃんて少食なの?」
「かもしんない。別にあれが食べたいとか、これ食べたいとか思わないし。1日くらい食べなくても平気かも…?」
確かに昔からあまり食べ物に執着がなかった。
部屋に運ばれて、1人で食べる食事が美味しくなかったってのもあるかもだけど…
「…ふーん」
この時ぽつり呟いた私に、正宗と颯人が探る様な視線を向けていた事には全く気づいてなかった。
それから15分くらいして、食事は運ばれて来た。
最後の1つを運んだ和真さんは、何故かそのまま司の隣に座り煙草を吸い出していた。
「…」
私の目の前には天ぷら。
海老やらイカやら…大量に。
脂っぽいなぁ…
チラリと前を見れば黙々と食べる3人の姿。
和真さんは煙草をふかしながら、そっぽを向いている。
「いただきます…」小さく呟けば「どーぞー」と言う和真さんの声が聞こえた。