乱華Ⅰ【完】
え?
歓迎されてんの?私。
バカだバカだと罵られ、呆れ顔をよく浮かべられる私は歓迎されてるわけ!?
…わからない。
こんな風に人と関わってこなかった私は、これが“歓迎”の形なのかどうなのか計り知れない。
「話が違うじゃないですかっ!」
「何言ってんだよ?お前らがここに連れて来る時点で、そうなんだろ?」
「いや!…そうじゃなくて…」
「わかってるよ。ちゃんと今から話すっつーの。ガキは黙っとけ」
正宗と和真さんが2人で言い合ってる間にお腹いっぱいになった私は、さりげなく颯人を見やりバチリ合う視線。
「…食えないのか?」
その問い掛けに、コクリと頷けば颯人は私の御膳を自分の前に持って行って、代わりに食べてくれた。
「ほら、颯人もそうじゃねぇか!」
「はぁ…もう和真さん話。話、進めて下さい」
げんなりした様子の正宗は、溜め息を吐いてタバコに火を点けた。
「で、だ。コイツらがわざわざ昼間に繁華街を勢揃いで歩いたのは御披露目するためなんだよ」
「…御披露目?」
一体何を御披露目するというのかと、思っていた私を指して、和真さんはニヤリ「心ちゃんをだよ」笑った。
「私、ですか?」
「心ちゃんは陽炎に狙われてんだろ?今日一緒に歩く事で心ちゃんが、本当に乱華の“姫”だって知らしめたんだよ」
「…なんで」
そんな事を?