乱華Ⅰ【完】


それから少し沈黙が続いた後、バーンッ勢いよく扉が開いて思わず肩がビクついた。



「なんなんだよアイツ!」



それは司の声。
ドスドス足を鳴らしながら、向かいのソファーにドシリ、座った。



ご機嫌ナナメですね。



だけど、タクとの気まずい微妙な空気が終わった事により、そんな不機嫌な司でも現れたことに安堵してしまった。



「アイツ、ダメだね」



司に続いて、正宗が部屋に入ってきた。エセスマイルを浮かべて。



「ダメ…?」


「そう、ダメ。正宗が何してもあれ以上吐かねぇーわ。口がかてぇーかてぇーある意味ソンケーするわ」



何をしても…?
チラリと正宗を見ればニヤリ不気味な笑みを浮かべて、タバコに火を点けた。



怖っ!!!!



なんなのこの人。
何したんですか!!



「タク」


「知らねぇらしい」



いつの間にか、颯人が私の真横に立って私を見ていた。



…いつからいたんですか。


< 95 / 294 >

この作品をシェア

pagetop