乱華Ⅰ【完】
それから少し沈黙が続いた後、バーンッ勢いよく扉が開いて思わず肩がビクついた。
「なんなんだよアイツ!」
それは司の声。
ドスドス足を鳴らしながら、向かいのソファーにドシリ、座った。
ご機嫌ナナメですね。
だけど、タクとの気まずい微妙な空気が終わった事により、そんな不機嫌な司でも現れたことに安堵してしまった。
「アイツ、ダメだね」
司に続いて、正宗が部屋に入ってきた。エセスマイルを浮かべて。
「ダメ…?」
「そう、ダメ。正宗が何してもあれ以上吐かねぇーわ。口がかてぇーかてぇーある意味ソンケーするわ」
何をしても…?
チラリと正宗を見ればニヤリ不気味な笑みを浮かべて、タバコに火を点けた。
怖っ!!!!
なんなのこの人。
何したんですか!!
「タク」
「知らねぇらしい」
いつの間にか、颯人が私の真横に立って私を見ていた。
…いつからいたんですか。