乱華Ⅰ【完】
隣を歩くタクを見て、口を噤む。
が、遅かった。
「うっぜぇってなんだよ。うっぜぇってよ」
バシバシ私の頭を叩きながら、顔を近づけてくるタク。
うっぜぇはうっぜぇだよ。
まんまその意味だよ。
「あぁん?」
口にでていたらしい。
凄い剣幕でゴチン!
勢い良く額をぶつけてきたと同時、きゃあぁぁあっ凄い悲鳴がおきた。
いてぇよ!
近いし。
口がくっつきそうなんですけど!
「…うるさい、周りが」
特に女の子。
ボソッと呟けば
「気にするな」
瞬時に顔を離したタクはスタスタ歩いて教室に向かう。
気になるわ!こんだけうるさければ!
タクが教室に消えたと同時、殺意籠もった視線を女の子達から投げられた。
…本当、ウザい。