桐華ー天然ボケ男が学園の王子様(女子)に恋しちゃったら【完】
声はだんだん小さくなっていく。
呼吸とともに力まで抜け出てしまっているようだ。
俺の腕は、もう勝手に動く。
桐さんの頭を撫でる。
たぶん、元気づけるために。
「……氷室くん、ちょっと痛い」
「あ、ごめん」
「……ありがとう」
……桐さんも、俺に恋愛相談なんかしたって、答えが出るなんて思っていないだろう。
ただ、話したかった。
聞いてほしかった。
それが俺たちの相談相手という関係。