桐華ー天然ボケ男が学園の王子様(女子)に恋しちゃったら【完】
★下駄箱のサイクル
「ひむ」
桐さんを見送って手を振っている恋理の隙をついて、彼方が下駄箱を盗み見ていた。
「ない」
続く彼方は不思議そうな顔で教えてくれた。
俺も声をひそめる。
「ない? だって、もう来てるだろ?」
「ああ。でも、今日はない。おかしいな……サイクルでいくと今日はある日なんだけど」
「彼方? どうしたのしかめっ面。ひむもいいの? 愛しの桐を見送らなくて」
恋理に気づかれた。