桐華ー天然ボケ男が学園の王子様(女子)に恋しちゃったら【完】
「桐さん、それどうした」
俺は桐さんの隣りにしゃがみ込んで、急かすように訊いた。
桐さんは軽く息を呑んだ。
……これが何か知っているのか?
「氷室くん――これ、知ってるの?」
「俺が先に訊いてる。答えて」
だめだ。桐さんに優しくする余裕がない。
落ち着け、落ち着け――。
こんな怖がらせたような顔、させたくないのに……。
「……答えたら、教えてくれる?」