桐華ー天然ボケ男が学園の王子様(女子)に恋しちゃったら【完】
「俺が知ってる限りなら」
声は、さっきよりは棘がないように自分で感じた。
だめだな……自分の声もコントロール出来てない。
桐さんは手にした手紙を俺との間に置くようにして、話し出した。
「今朝、登校した女バスの子が何人か恋理ちゃんの靴箱にこれを入れていたの。私が声かけたら逃げちゃって……。
まさか嫌がらせとかそんな類だったらどうしようって思って、失礼なのはわかってたけど中を覗いたら、これがあった。
すぐに氷室くんたちが来て、返すタイミングを失ってしまった。申し訳ない」
「……そうだったんだ……」