桐華ー天然ボケ男が学園の王子様(女子)に恋しちゃったら【完】
「うん……。これ以上桐ちゃんにぎくしゃくするの嫌だし。話さなかったらたぶん氷室、彼方先輩けしかけてくるだろうし。怖いし」
「……ほんと何者なの、彼方さん」
「彼方先輩は過保護なだけなんだけどね。色々スペックが高いから――やっぱり性質が悪い」
「だね」
同じ評価でもこっちは同意だ。
昼休みに体育館を使う生徒が現れだしたので、夏香ちゃんを促して更衣室に入る。
夏香ちゃんは、「長くなるし、あたし説明下手なのは赦してね」そう前置きして話を始めた。
中学二年に遡るらしい。