桐華ー天然ボケ男が学園の王子様(女子)に恋しちゃったら【完】
「氷室くんの傍にいるのは、私が楽しいからな」
この一瞬の自分は、幸せだって思えるくらいなんだ。
握られた手を、氷室くんは顔の前に持ち上げて額をくっつけた。
「ありがとう」
「うん」
恋理ちゃんのことを、どうも出来ないのは私も同じで。
夏香ちゃんたちは励ますことが出来た。
氷室くんは応援出来る。
けれど、私自身はまだ何もしていない。
……なにも……。