桐華ー天然ボケ男が学園の王子様(女子)に恋しちゃったら【完】
「てか、なんで彼方さんがいるんですか」
私の前にいるのは氷室くんではなくて、腹黒、もとい、彼方さんだった。
前みたいに椅子に陣取ってる。
「ひむと約束したんだろ? 俺がついていくのは至極当然だ」
「発想が怖いです」
「冗談に決まってんだろ。恋理が行くっていうから先回りしたんだよ」
「なんで一緒に来るじゃなくて先回りすんですか」
言い返すと、彼方さんが椅子から立ちあがたって、私は反射的に構えてしまった。
手にしたボールが私と彼方さんの境界を作る。