桐華ー天然ボケ男が学園の王子様(女子)に恋しちゃったら【完】
「………そんなの」
淋しい瞳。
「うん。でもさ、俺らずっと彼方に護ってもらってきたろ? だから、独り立ち――つったら彼方が淋しがるだろうから違うけど、少しだけ、彼方から離れてみる機会。
そしたら桐さんと彼方のことも客観的に見えんじゃないか?」
「……なるほど」
俺の拙い説明に、恋理はどこか納得したようだった。
「確かにそうよね……あたしたち、彼方ありきだったもんね……。いいと思う、それ」
「うん、それでさ」