桐華ー天然ボケ男が学園の王子様(女子)に恋しちゃったら【完】


「お前は、逃げることに逃げるな」
 


彼方は続けた。



「『今』から逃げるな。――世界から瞳(め)を逸らすな」



「……ううぅ…」
 


肯定なのか、恋理は何度か頭を上下させた。
 




今から逃げるな。
 


世界から瞳を逸らすな。
 



……それは二年前のあの時――それとも半年前の試合の後、俺たちは言うべきだったのだろうか。




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