桐華ー天然ボケ男が学園の王子様(女子)に恋しちゃったら【完】
桐さんの目元に指を寄せた。
「え……?」
肌に触れたはずみで桐さんの瞳が俺に向く。
……何度見てもきれいな瞳……。
こぼれた涙粒を、恋理のハンカチより先に、俺の指が拭い取っていた。
「ひむろ……くん?」
「……はっ」
や、やばっ! 思わず触ってしまった! 女子にこんなことしちゃ駄目だろ!
「ごめん! 思わず……殴っていいです」
「いや、だから殴らないよ。……氷室くんにされることは新鮮なことばかりだ」
そう言って、桐さんは怒るどころか微笑んでくれた。
~~やっぱり神かこの人は!