桐華ー天然ボケ男が学園の王子様(女子)に恋しちゃったら【完】
……恋理ちゃんたちは無自覚なようだけど、実はあの三人も学園では有名人だった。
幼馴染とはいえ、高校生になって学年も違うのに一緒にいるところをよく見かける。
いつ見ても笑顔が絶えなくて、存在感があって目立っていた。
「なー、音崎恋理。やっぱりカワイイだろ?」
「顔はいいけど、いつもあのオサナナジミが一緒じゃん? 隙ねえよ」
ん? 小さく聞こえてきた声に、耳を澄ます。
今、恋理ちゃんの名前が出た……?
伺うと、渡り廊下の影に、男子生徒が三人集まっていた。
……下卑た感じを受けるのは私だけではないだろう。
殴ってくるか。