桐華ー天然ボケ男が学園の王子様(女子)に恋しちゃったら【完】


暴力沙汰は好まないけど、脅しくらいなら――



「へー、恋理って可愛いんだ?」
 


うん? この、少し低くて澄んだ声――彼方さん?
 


見ると、私とは別方向から彼方さんが歩いてくるのが見えた。



その後ろには三人の男子生徒。


黒髪の優等生然とした彼らは動く様子はなく、彼方さんを見守っている感じだった。



「……っ、長部…」
 


……彼方さん、登場だけで威圧してるの? 

下卑た声は若干震えていた。
 


……彼方さんが何かしようとしているのがわかって、私は近くの植木の影に隠れた。



そこからは、彼方さんの背中と彼方さんが近づくにつれて顔色を悪くする三人がよく見えた。
 



ガンッ



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