桐華ー天然ボケ男が学園の王子様(女子)に恋しちゃったら【完】
「ああ、今の見てた? 別に俺が強いってわけじゃなくて、あっちが弱いだけだろ」
それは強さを持った者にしか言えない台詞ですよ。
……とは、言えなかった。
「あれ、王子ちゃんじゃん。彼方知り合い?」
この声は初めて聞く。
いい加減立ち上がると、後ろにいた三人が彼方さんを囲んでいた。
「うん、友達」
「彼方の? 珍しー」
「初めまして、王子ちゃん。彼方の友達でーす」
やけにフレンドリーだった。
私もお辞儀を返す。
「彼方さんのお友達って、同じ学年ですか?」