女神は不機嫌に笑う~小川まり奮闘記①~
午前3時頃、やっと震えが来た。
ガタガタと震えて、私は毛布に包まってその中で小さく丸まる。
無事だったんだ、私は、まだ、生きている―――――。
でも。
手の中にあった輝きは消えてしまったけれど・・・・。
昨夜の記憶を再現していた私の顔に太陽の光が真っ直ぐにあたる。よろよろと直射日光を避けた。
ぼーっと布団の上に座ったままで、私は気付いた。
そういえば、昨日百貨店から退出した時以来、携帯を見ていない。
そろそろと鞄に手をのばし、携帯を取り出す。
開けて見ると、着信が5件、いずれも桑谷彰人から。そしてメールが一件。
『君を傷つけたことは判っている。話をする必要がある。頼むから、電話に出てくれないか。心配している』
昨日の、12時のメールだ。