女神は不機嫌に笑う~小川まり奮闘記①~


「ざまああ~みろおおおおお!!!」

 顔を枕に埋めて絶叫した。

 枕が防音になって音を消してくれるのをいいことに、私は叫び、笑い、気違いみたいにはしゃぎまくった。


 これで本当に、悪魔は退散だ。

 私は勝ったのだ。アイツとの戦いに。あのバカは牢屋、私は新しい部屋。


 枕を落とした。

 だらだらと落ちる涙もそのままにした。

 どうせ誰も見てない。ここには私しかいない。

「う、ふふふ・・・」

 口元を抑えて笑い声を抑える。その上から被さってしまう泣き声も抑えた。

 ・・・あああ、良かった・・・。


 これでやっと、私は自由の身だ――――――――





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