女神は不機嫌に笑う~小川まり奮闘記①~
種明かしをすると、あらまあ~って手で口元を覆った。
「うわあ~・・それって浮気ですよね?許せないー!あ、それで別れたとかですか?」
少し考えて、またイメージを悪く出来ると思いついたから首を振った。
「ううん、別れたのは春先。性格の不一致で。でも今、影の理由を知ってしまったけど」
まさか、ここに来る5日前に別れたとは言えない。
亭主もちの竹中さんは、浮気が一番許せない~って一人で怒っていた。よしよし、これでまたこの話が広がるな。心の中で私はほくそ笑む。
「だってその頃には皆知ってましたもん。部長の娘さんと守口さんのこと。店食でも仲良くお昼してたし!」
「・・・・まあ、終わったことだしいいんだけどね」
「よくないですー!守口さんて最低だー!」
一緒になって怒り、同じように斎を睨みつけた竹中さんに気付いて、斎が私へ視線を送り、うんざりしたような顔をした。
ざま~あみろ。確実にアンタの敵は増えてるぞ~。
「あ、今日会えますよ、小川さん」
「え、誰に?」
竹中さんの声にハッとして振り返る。彼女はニヤニヤと笑いながら言った。
「小林部長の娘さん。守口さんも、店長だし参加しますもん」