女神は不機嫌に笑う~小川まり奮闘記①~
ほくほくとテーブルに戻ると、洋菓子の店長3名の前に披露し、賞賛と拍手を頂いた。
「じゃあ、頂きましょうか!」
私を含めた女性4人でビール片手に食べていく。食べ物と飲み物をちゃんと手に入れてからは、ゲームの進行で笑ったり、カラオケに文句をつけたりして、そこそこ楽しく過ごしていた。
「あ、守口さん」
隣の店の店長の言葉に耳が反応する。ゆっくりと振り向くと、入口近くに並べられた自動販売機のそばで小林部長と談笑する斎を発見した。
制服でない姿は久しぶりだ。相変わらず、格好のよい男だった。持っていたコップをテーブルに置いて、私は彼らをじっと見る。
「未来のお義父さんと話してるってわけね」
誰かがそう言い、皆うんうんと頷いた。
「でも小川さんの話を聞くと、ちょっと考えるわね。自分の娘の話だったら、やめときなさいって言うかも」
福田店長がそういい、微苦笑をさそっていた。・・・よしよし、確実によくないイメージは浸透しているのだなと、私は気を良くする。
「私お代わり貰ってきます。皆さんどうしますか?」
3人の店長にそう聞くと、皆は首を振った。では、と自分の分だけを持って立ち上がる。