女神は不機嫌に笑う~小川まり奮闘記①~
私は床に座り込み、天井を見上げる。
・・・・・お金だけでなく、仕事までうしなっちゃったよ・・・。
緊急入院していたと言っても目覚めてからも連絡を入れなかったのは事実で、会社の信用は完全になくなっただろう。あああ・・・・収入源までもなくなってしまった。
呆然と自分の部屋を見回す。
どうなっちゃったの、私の生活。
この汚い部屋と、わずかな現金だけが今の私の持つ全て。
ほんの4日前までは、仕事もあり、収入もあり、美形の彼氏までいたというのに。
あの男は悪魔だったけど。
私の200万の貯金すら持っていかれちゃったわけだし。
「・・・・あらまあ・・・」
かすれた声が出た。
そろそろ泣けるだろうか、私。病院でもちっとも泣けなかった。誰もみていなかったのに。でももうここは自分の部屋だし、涙くらい流したって罰は当たらないと思う。でなければほら、この厳しすぎる現実に、一体どうやって対処したらいいの。
命。
200万。
仕事。
・・・・・・・・・あの、バカ野郎。
やっと、泣けてきた。