pianissimo.
「女絡みって本当だったんだ」

独り言のようにこぼせば、

「みたいだね」

郁香はニッと笑って同調した。



「意地悪」

上目使いで睨みつけながら言ってやった。


「ちょっとー、人聞き悪い言い方しないでよー。『友達思い』って言って欲しいなぁ。ラッシーが無駄に傷付かないようにって思って言ってんのにー」

「『無駄』って……」


ライガのせいで傷付くなら、それは私にとって無駄なんかじゃないのに。郁香は全然わかっていない、私のこと。親友のくせに。



「とにかく、ライガはいずれヤラれる。あの白軍団に目ぇ付けられたら、いくらライガでもただじゃ済まないよ」


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