pianissimo.
ライガの命は終わったも同然。多分、ここで袋叩きにされ瀕死状態で病院に搬送されるのだ。




「なんなんだね? 君たちは」

勇敢に立ち向かった一年の学年主任は、すぐさま頬に拳を一発食らい、易々と弾き飛ばされた。

瞬殺だ。




「やっべ」

危機感も緊迫感もないゆるい呟き。とても小さな音量だったけれど、籠もった空間の中でやけに反響した。

付近の生徒たちの視線が、声の主の方へ自然に集まる。


その光景は、招かれざる客人たちに『ライガ』の居場所をあっさり教えた。


< 4 / 401 >

この作品をシェア

pagetop