pianissimo.
「屋上、鍵かけたら出れねぇよなぁ。そしたら……」




「ライガ、びしょ濡れ」




パンと弾けたように全員が笑い声を上げた。



「職員室! 俺、鍵どこにあるか知ってんだよね」

一人が得意気に言い、男子たちは一斉に駆け出した。



なんというレベルの低い企み。愚劣な嫌がらせ。最低だ。正々堂々勝負しても負けるからって。


どうしよう。知らせた方がいいかな。


ああ、もう……。

彼らの跡なんかつけるんじゃなかった。


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