ライオンとパンダ
 タヌキは下を向いてね、少し両手を振るわせてた。

「恐いんです、恐いんです、もうあんな思いするなんて、恐いんです。」

 両手を強く握ったタヌキは涙を潤わせながら一言一言強い口調で話し始めた。

「結婚したときは彼が犯罪者になるなんて思いもしませんでした、いつも明るくて、笑っていて、でも暮らしていく中で、次第に距離が空いていることに気がついて、いつの間にか彼は家に居なくなりました、そして彼の居場所がわかったのは警察から連絡があった時でした、私は、私の運命はこんなんじゃない!って何度も思いました、絶対に・・・だから今度はちゃんとした人を。」

 何かタヌキの言葉は重みがあってさぁ、ドーンとくるのよね、まぁそれほどのものを背負ってきたんだと思うよ。

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