誠の桜に止まる蝶
「じゃあ、治療はこれでおしまいや。ゆっくり休んでな。」

「はい。わかりました。」

「沖田さん。もう入ってもいいで。」

山崎さんが声をかけたと同時に沖田さんが部屋に入ってくる。

「沖田さん、ずっと廊下でまっててくれたんですか?」

「うん。蝶ちゃんが心配だったからね」

さらりと笑顔で言ってくる。

すると山崎さんがこそりと耳打ちする。

「沖田さんがここまで女に優しくするんなんて初めてやで?それほど蝶ちゃんこと大切ってことやないか?」

「え?」

山崎さんの言葉に思わず私は頬を染める。

本当に・・・?

「山崎さん。なんか言いましたか?」

「いいや!んじゃわいは酔っぱらいの看病にまた言ってくるわ!」

元気に部屋を出て行った。

「蝶、山崎さんになんて言われたの?」

「いいえ、なにも言われていませんよ?」

「ふうん・・・」

あ、今確かに沖田さんのスイッチが入った音がした。
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