誠の桜に止まる蝶
「じゃあ蝶ちゃん、もしかして帰る場所ない?」

「あ、はい・・・」

少し不安そうにつぶやく蝶。

まるで迷子のような瞳をしている。

「じゃあ、屯所においでよ。」

そういって総司は優しく微笑む。

「えっでも・・・・」

戸惑いを隠せないといったことが読み取れる。

「近藤さんに話してみるよ。近藤さん土方さんと違って情に熱い人だからきっと蝶ちゃんのことも受け入れてくれるよ。」

「おいっ。総司。俺と違うってどういうことだ。」

「本当のことじゃないですか。うるさいですよ土方さん。」

「なっ総司てめえ!」

「はいはい。とりあえず行きますよ。」

「っ後で覚えてやがれ。」

「さあ、蝶ちゃん降りておいで?」

「はいっ!」

本当の蝶のように舞い降りる蝶。

その姿に二人は言葉を失う。
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