誠の桜に止まる蝶
「では、歳、古高が吐いたことを話してくれ。」

「はい。古高は祇園祭の前の風の強い日を狙って御所に火を放ち、その混乱に乗じて中川宮朝彦親王を幽閉し、一橋慶喜・松平容保らを暗殺し、孝明天皇を長州へ連れ去計画を、1週間後に 池田屋か四国屋であると話しました。」


「1週間後か・・・・」

この話・・・池田屋事件だ!!
私はおもわず身を乗り出しそうになる。

私が話そうとするとまた意識が飛びそうになる・・・

またあの風景。

お願い、消えて!!!

意識が引きずられそうになる。

「おい、蝶、きいてんのか?」

「え・・・・?」

「はあ。もう一回だけいうからよく聞け。近藤さん率いる近藤組の隊長は池田屋に行く。近藤・沖田総司・永倉新八・藤堂平助、それにお前だ。俺らは四国屋に行く。わかったか?」

「ま・・・って・・・・」

私は池田屋が本命であることを告げようとする。

「はあはあ・・・・・」

うまく、息ができない。

「蝶!大丈夫?」

隣にいた沖田さんが体を支えてくれる。

「この・・・作戦・・・本命は・・・っ!!」

体がねじれるような感覚がする!!

「蝶?蝶!!!」

沖田さんの声が遠くに聞こえる。

こうして私は2度目の時をとんだ。


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