誠の桜に止まる蝶
「まず、作戦は蝶ちゃん抜きでやる。とりあえず、解散だ。」

近藤さんの声でみんなが居なくなる。

心なしか、蝶がいなくなったことをみんなが受け止めきれていないように見える。

俺と土方さんは珍しく一緒に縁側にいた。

「土方さん・・・」

「なんだ。」

「蝶ってちゃんと存在してましたよね?」

「ああ。」

「っ!!」

俺は土方さんがいるにも関わらず涙を流した。

蝶!!蝶!!

俺の前から急にいなくならないって言ったじゃないかよ!!
なあ、沖田さんってあの甘い優しい声でもう一回呼んでくれよ!!」

「総司・・・」

こうして、悲しき夜は更けていった。
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