誠の桜に止まる蝶
「どうぞ。」

凛さんがにこりと微笑み、お茶を進めてくる。

「あ、ありがとうございます。」

中に入るとすでに人数分の紅茶とお菓子が用意してあった。

「まず、あなたの疑問に答えるわ。なぜあなたの名前を知っているかよね?」

私はこくんとうなづく。

「それはね、私が蝶と名付けたからよ。」

「えっ!?」

「ふふっ。驚くのも無理ないわね。私はね、蝶という名前にある願いを込めたのよ。」

「願い?」

「ええ。蝶は変化の兆し。あなたが変わるときに、あなたの名があなたを導くようにと、いう願いを込めたのよ。」

「そうだったんだ・・・・」

私は神妙に頷き、黙る。

確かにこの名前が私をここまで導いてくれたかもしれない。

「それで蝶。あなたが私のところに来たのは理由があるんでしょ?」

「っはい!私を、私を幕末の時代へと飛ばしてください!!」

「ふふっ。単刀直入ね。でもそういうの嫌いじゃないわ。」

凛さんはすっと立ち上がる。
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