誠の桜に止まる蝶
「あなたを幕末まで飛ばすことは簡単よ。でも。」

「でも?」

「あなたは歴史を変えようとしているわね?」

「っ・・・はい。」

私は、沖田さんの結核を治そうとしている。

たとえ、歴史を変えてしまおうとも・・・・

「歴史を変えることはとても難しいの・・・・。だからあなたはこちらに戻ってきてしまったのでしょう?」

「はい。池田屋について話しているときに私はこの時代へ戻ってきてしまいました・・・。」

私はあのときの光景を思い出す。

沖田さんの腕の中で時をとんだ。

みんな、驚いてないかな?

急にいなくなっちゃったもんね・・・・

「そう。でも、あなたはあちらの世界へ行きたいのでしょう?」

「はいっ!行きたいんですっ!」

「わかったわ。あなたをあちらの世界へ送ります。」

「でもっ!凛。代償が必要になるのではないの?」

桜が少し焦ったように叫ぶ。

「そうね。でも、もう貰っているから。」

「え?」

私と凛の声が綺麗にそろう。
< 198 / 260 >

この作品をシェア

pagetop