誠の桜に止まる蝶
あなたの傍で
「こっちがあたりのようだな。」

近藤さんのひそやかな苦笑い交りの声が聞こえる。

「ええ。そうですね」

いつもふざけている平助さえ緊張を顔に滲み出させる。

「おい。大丈夫か総司。」

近藤さんが心配そうにこちらを見る。

「大丈夫です。」

俺はそう冷静に答える。

蝶が居なくなってまだ1週間しかたたないのに俺はすごい脱力感に襲われている。

だけど、これが前までの日常だ。

俺は、蝶が大切にしていた新撰組を守る。

それでいいんだよな、蝶?
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