誠の桜に止まる蝶
確かに桜は儚い。

だけど、その分秘めたる強さを兼ね揃えていると俺は思っている。

なんて、桜をかいかぶりすぎかな?

自分の考えに少し苦笑いをこぼす。

そろそろ行かなければ時間だ。

そして俺は歩き出そうとする。

すると一瞬木の上に人影を見たような気がした。

「え?」

俺は目を凝らしてもう一度木を見上げる。

だけど、そこには誰もいなかった。
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