誠の桜に止まる蝶
「気のせいかな?」

俺は首をかしげてまた歩き出す。

“総司・・・”

はっきりと誰かに呼ばれたような気がして振り向く。

だけど、やっぱり誰もいない。

「幽霊・・・?」

こんな昼間から幽霊などいるのだろうか?

俺はそんなことを考えていた。

すると突然風が強く吹き抜ける。

「うわっ!」

視界の向こう側に誰か、かわいらしい女の子が笑っているのが見えた気がした。

「いったいなんなんだ?」

俺はおもわずつぶやく。
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