月の綺麗な夜に。
今日もクロの姿は見当たらない。
『みんな、ここでクロが帰って来るのを待ってなさいね。』
それだけ言うと家に戻って来た。
「お母さん。チャゲの子供達が居ないけど、知らない?」
帰って来た洋子ちゃんが、尋ねていた。
ただ、茶色の子だけが、後をついて帰って来ていた。
『あんたも、どっか行き!』
「チャゲ!どうしたの?なんでそんなに怒るん?」
私の態度がキツいので、あわてて洋子ちゃんが声をかけるが、その時の私には届かなかった。