月の綺麗な夜に。

「キャー。誰!
玄関にネズミを置いたのは?」



朝、お母さんの叫ぶ声で洋子が起きてきた。


「朝からどうしたの?びっくりするでしょ。」


「ほら、洋子見てみて。」


「デッカイネズミだね〜。どうすんの?」





2人の会話が聞こえる。
喜んでくれたかな?


『お母さん、喜んでくれた?』


「もう!お前って子は!」

頭を叩かれた。

なんか、怒ってない?頑張って捕って来たのに。



「もう捕って来ないでよ!」





頑張って捕って来たけど、気に入ってもらえなかったみたい。


『は〜い。』


気の抜けた返事をすると洋子ちゃんが、


「あんたね〜。お母さん、ネズミ大っ嫌いだからもう捕って来ちゃダメだよ。」

と言って頭を撫でてくれた。


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