月の綺麗な夜に。

頭が出たら、後は簡単に外に出られた。


「チャゲ、どうしたの?」


私は箱の上に乗って、車の進んで行く道を覚えようと思った。


「卓也ちゃん、チャゲがじっとして、道を覚えてるみたいだよ。」



洋子ちゃんが、卓也ちゃんに言った。


卓也ちゃんは、バックミラー越しに私を見て、


「本当に道、覚えてるみたいだね。さっきから、じ〜っと前だけ見てるよ。」


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