月の綺麗な夜に。
「どけどけ〜!」
こちらに向かって一直線に走って来る。段々大きくなってもう目の前!
『ギャ―!助けて!』
叫ぶとすぐに猛ダッシュ。
全力疾走で逃げるが、向こうも追いかけてくる。
『着いて来ないで〜。』
「嫌なら逃げてみろよ。」
『助けて〜。お母さん〜。』
私の方が走るのが早かった。逃げていると遠くの方で声がした。
「シロ〜!帰るぞ。」
彼のお父さんのようだった。
「ちぇっ!今度は捕まえてやるからな。」
『ば〜か!早く帰りなさいよ。』
言ったものの内心は、ほっとしていた。
『ちょっと怖かったけど、面白かった。さあ、私も帰ろう〜っと。』