月の綺麗な夜に。

玄関で、靴を履いている女の子にちゃんとお別れしなくちゃ。


『本当にありがとう。
久しぶりに布団で寝られて、元気になったよ。
ちゃんとご飯を食べたのも、凄く久しぶりだったもん。
本当にありがとう。

本当に…。』




「帰るまで待っててね!」

女の子は、私を抱き締めると、学校へと出かけて行った。


気持ちは伝わったよね?


女の子の一筋の涙が物語っていた。


< 192 / 210 >

この作品をシェア

pagetop