月の綺麗な夜に。

「ただいま。」


「おかえり。今日は早かったね。」

妻の眞由美が答える。


「今日は途中で雨が降り始めたから早上がりだよ。」


「お父さん、おかえりなさい。」



卓也と洋子が声をかける。


「今日から家族が増えるぞ!」


ポケットを覗き込んだ洋子が、


「かわいい〜!」
と歓喜の声をあげる。



「私が名前をつけてもいい?」



ちゃんと面倒みろよ。
父の真治は子供に任せる事にした。


「ちゃんと面倒見なさいよ。」


眞由美の声が台所から聞こえた。



< 2 / 210 >

この作品をシェア

pagetop