月の綺麗な夜に。
「ただいま。」
「おかえり。今日は早かったね。」
妻の眞由美が答える。
「今日は途中で雨が降り始めたから早上がりだよ。」
「お父さん、おかえりなさい。」
卓也と洋子が声をかける。
「今日から家族が増えるぞ!」
ポケットを覗き込んだ洋子が、
「かわいい〜!」
と歓喜の声をあげる。
「私が名前をつけてもいい?」
ちゃんと面倒みろよ。
父の真治は子供に任せる事にした。
「ちゃんと面倒見なさいよ。」
眞由美の声が台所から聞こえた。