月の綺麗な夜に。

ダッシュだったら負けないもん。

走って土手の上まで駆け上がる。


奴は呼ばれたのか、渋々引き上げて行った。




逃げ切ると同時に振り返ると、待ち焦がれていた橋が後ろに見えた。


………?


一瞬、理解に苦しんだ。

よくよく考えてみると女の子に抱っこされたのが橋の手前で、飛び出して着いた時には、橋を過ぎていたみたい。


早く帰ろうと前ばっかり見ていたので、通り過ぎている事に気付かなかった。




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