月の綺麗な夜に。
「チャゲ〜!チャゲ〜!」
辺りは段々と暗くなって来たが、捜し続けた。
「チャゲ〜!チャゲ〜!」
声の限りに叫ぶ。
「チャゲ〜!何処にいるの?」
途方にくれている洋子に、
「洋子ちゃん〜。もう帰って来たら〜。」
土手の上から母の声が聞こえた。
辺りはもう真っ暗になって、心配した母が迎えに来たのだ。
「どうすんの!お母さんのせいだからね!」
洋子の怒りは収まらないが、こんなに暗くなっては捜しようもない。
晩ご飯が出来てるから、帰ろうと言う母と会話もせずに無言で家路につくしかなかった。