月の綺麗な夜に。
「洋子、お母さんは?」
「まだ、帰ってないよ。」
返事を聞くまでに、車から段ボールを持ってきた。
「何?」
洋子が聞いているのが、聞こえたか分からないが、友香理は持ってきた段ボールに声をかけると、箱を開けた。
「今日からここが家だからね。」
私は気になって、肩から降りると、箱の中を覗き込んだ。
「こんにちは、こんばんわかな?」
ビクッとして後ずさる。
「レオ、みんなに可愛がってもらうんだよ。」
友香理はいいながら箱から大きな彼を持ち上げて、みんなの前に座らせた。