月の綺麗な夜に。
身内
卓也は小さい頃から小児喘息だった。
医者からは動物を飼うと、その毛から発作が出るからと言われている。
でも、馬鹿なのか?自分でも捨てられた子を見るとほっとけないみたい。
最近は、大人になったからかもしれないけど、あんまり発作は出てないようだ。
ある朝、ゼーゼー言いながらレオの頭を撫でている卓也ちゃんを見た。
「大丈夫なの?お医者さんに行った方がいいんじゃない?」
と言うお母さんに、
「会社に電話入れてから、遅れて行くわ。」
と答えている所を見てしまった。