月の綺麗な夜に。

お願いだから、怒らないで、ちゃんと教えて欲しい。

クロはゆっくり話し始めた。



自分が生まれた時のこと、

しばらくはみんなで楽しく暮らしたこと、

彼の兄弟みんなが、箱に入れられて知らない所に置かれた事、

そのなかで2匹は知らない誰かが連れて行ったこと、
残った自分ともう2匹は犬に追われて、離れ離れになってしまった事、
などを私にわかるように話してくれた。


『でも、家族じゃないの?』


< 62 / 210 >

この作品をシェア

pagetop