晴、時々雨
「雅美様、ご到着致しました。」
「ありがとう、優紀さん。」
「じゃあね、翔乙莉。ありがとう。バイバイ。」
『うん。バイバイ。また明日。明日の朝迎えに行くよ。良いかしら、優紀。』
「もちろんでございます。」
「やった~。ありがとう、優紀さん。」
「じゃあ、陛太くんバイバイ。」
「バイバイ。また明日ね。今日はありがとう。」
「んじゃ、翔乙莉.優紀さん、また明日~。」
『また明日~。バイバイ。』
「お気をつけて。失礼致します。」
(あ…2人になっちゃったよ…)
「なぁ、翔乙莉。」
『ん!?』
「すげーな、翔乙莉。超金持ちなんだな。お嬢様だな。翔乙莉お嬢様。」
『ちょ、止めてよ~。そんなんじゃないし。』
「じゃ、お嬢様じゃ無いの?」
『いや…お嬢様なんだけど…』
「でしょ?」
何故か自慢げ。
「羨ましいよ。」
『え??』
「こうやって毎日、優紀さんみたいな人に送り迎えしてもらえるなんて。俺なんか毎日、バスと電車の乗り継ぎになるんだぜ。羨ましすぎるよ。」
『そんな事 言われても…そーいや、そーだね。考えた事無かった。』
「そういう所が羨ましいよ。」
「あの、お嬢様。」
『何かしら、優紀。』
「毎朝、陛太様と雅美様もご一緒されてはいかがでしょうか。毎日、お嬢様はお一人で退屈ではありませんか?お友達とご一緒の方がお嬢様も楽しいのではありませんか?」
『え…まぁそれは…でも…』
「良いんですか?優紀さん。ありがとうございます。では、お言葉に甘えて。」
「かしこまりました。陛太様。」
『え、ちょ、勝手に…ま、いっか。』
(でも、陛太くんと毎日一緒?雅美も居るし、大丈夫かぁ!?)
「陛太様、お家の方はどの辺りでございましょうか。」
「あ、えっと~……………………………」
「それでは、陛太様。明日お迎えに上がりますので。」
「お願いします。じゃあな、翔乙莉。バイバイ。」
『また明日。』
(ハァ…なんか疲れたなぁ。)